アイスの溶けるまでに

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いつまでも夏の合図を感じてるつもりだったが、気づけば夏休みも終わり文化祭シーズン。今年はどこに行くわけもなくなんとなく過ごしてしまった。夏の暑さが体に染み入る前に暦だけが掻い潜っていった。


今年は特に涼しさを感じる夏であり、クーラーより夜風を楽しむ余裕のあるものだった。花火に向けた子どもからの興奮した声や湿った土のような匂いが網戸越しに入ってきて、屋内にいながらも開放的な気にもなった。アイスの溶けるまでに味わうだけの余裕もあったし、急かされる終盤という局面もなく穏やかでいられた気がする。

夏といえば少し疲れるシーズンでもある。もちろんその暑さもそうだが、外的な要因としてはまとまった休みを多くの人のいる中で家族とどのように過ごすか、というスケジューリングや計画によるものが個人的には大きい。特に人混みが得意ではない私は、「夏休み お出かけ」というような検索は絶対に行わない。都会から離れた、さほど他人が干渉してこないところでおひさまや緑を取り込みたい。今年はそういう意味では、経済活動に体を奪われてしまい自宅が中心であったため、多少閉塞的ではあったもののそうしたストレスとは少し離れた場所にいた。過ごしやすかったと言えるかもしれない。
かと言って、これがベストだったのかと言われれば少し罪悪感が残る。子の親として、残されている時間は限られている。その1回分の夏に記憶に残るような過ごし方ができなかったというこのもやもやを溶かしてくれるような休みが恋しくなっている。なんという身勝手か。